【基本編】カイム塗料について

Q1. カイム塗料とは、どのような塗料ですか?

A1. カイム(KEIM)は、140年以上前にドイツで発明された世界初の液体ケイ酸塩塗料です。主成分が珪石(石英)や長石といった鉱物で、ガラスや石と同じ「無機質」な性質を持っています。 一般的な塗料が接着剤で壁に付着するのに対し、カイム塗料はコンクリートやモルタルの成分と化学的に結合し、素材と一体化(石化)するのが最大の特徴です。

Q2. 一般的な塗料(シリコン塗料など)とは何が違うのですか?

A2. 大きな違いは、有機質か無機質かという点です。

  • 一般的な塗料(有機塗料)

    • 石油由来の樹脂(アクリル、シリコン、フッ素など)が主成分です。

    • 壁の表面に「塗膜」というフィルムを形成して建物を保護します。

    • 課題点: 塗膜が静電気を帯びて汚れを吸着したり、紫外線で劣化して剥がれたり、壁内の湿気を逃がせずに膨れたりすることがあります。

  • カイム塗料(無機塗料)

    • 鉱物などの無機物が主成分です。

    • 壁に浸透して一体化(石化)するため、塗膜を作りません。

    • 利点: 静電気を帯びず汚れにくく、紫外線で劣化しません。また、通気性に優れ、壁内の湿気をスムーズに放出できるため、塗料の膨れや剥がれが起こりません。

【性能・特徴編】メリット・デメリットについて

Q3. カイム塗料を使うメリットを教えてください。

A3. 主に以下の5つの大きなメリットがあります。

  1. 驚異的な高耐久性 ヨーロッパでは100年以上塗り替えられていない建築物が数多く存在します。紫外線で劣化しないため、塗り替えサイクルが非常に長く、長期的な視点で見るとメンテナンスコストを大幅に削減できます。

  2. いつまでも美しい外観 静電気を帯びないため、空気中のチリやホコリが付着しにくいのが特徴です。また、主成分のケイ酸アルカリが強アルカリ性のため、カビや藻の発生を長期間にわたって抑制します。

  3. 建物の寿命を延ばす通気性 水の侵入は防ぎながら、壁内部の湿気は水蒸気として外部に放出する優れた通気性を持っています(ガス透過性)。これにより、壁内部の結露を防ぎ、建物の構造体を健全な状態に保ちます。

  4. 人にも環境にも安全 天然の鉱物を主成分とし、VOC(揮発性有機化合物)を一切含まないため、居住者の方はもちろん、塗装作業を行う職人や周辺環境にも安全な塗料です。

  5. 燃えない安全性(不燃性) 主成分が無機質のため、燃えることがありません。万が一の火災の際にも、有毒ガスを発生させる心配がなく、安全な避難経路を確保することに貢献します。

Q4. デメリットはありますか?

A4. 以下の点がデメリットとして挙げられます。

  1. 初期費用が高め 一般的な有機塗料と比較すると、材料費や施工費が割高になる傾向があります。ただし、前述の通り30年以上の耐久性が期待できるため、塗り替え回数を減らせることを考えると、ライフサイクルコスト(建物の一生にかかる費用)では非常に経済的です。

  2. 専門的な施工技術が必要 カイム塗料の性能を最大限に引き出すには、下地の状態を正確に診断し、適切な下地処理と塗装を行う専門知識・技術が不可欠です。そのため、どこの塗装業者でも施工できるわけではありません。弊社のような認定施工店にご依頼いただく必要があります。

  3. 艶(つや)のある仕上げはできない 石やコンクリートのような、自然でマットな(艶消し)仕上がりになります。光沢のあるピカピカとした仕上がりにはできません。

【施工編】塗装について

Q5. どのような場所に塗ることができますか?

A5. コンクリート、モルタル、レンガ、漆喰、ALCパネルといった無機質な素材との相性が最も良いです。 既存の有機塗料が塗られている壁や、窯業系サイディングボードなどに塗装する場合は、専用の下地材(プライマー)を塗布することで施工可能になります。最適なご提案をいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

Q6. DIYでの塗装は可能ですか?

A6. 大変申し訳ありませんが、DIYでの塗装は推奨しておりません。 カイム塗料は、その日の気温や湿度によって塗料の希釈率を調整したり、下地の吸い込み具合を見極めたりと、非常に繊細な管理が求められるプロフェッショナル向けの塗料です。品質を保証するためにも、ぜひ専門の施工店にお任せください。

Q7. 塗り替えの目安はどのくらいですか?

A7. 建物の立地環境や下地の状態によって異なりますが、約30年以上の耐久性が期待できます。一般的な有機塗料の塗り替えサイクルが10年~15年程度ですので、その差は歴然です。

【費用編】価格について

Q8. 費用はどのくらいかかりますか?

A8. 塗装費用は、建物の大きさ、形状、下地の状態、足場の要不要など、様々な要因によって変動します。そのため、一概に「1平方メートルあたり〇〇円」と提示することは難しいのが現状です。 弊社では、専門のスタッフが現地調査を行った上で、お客様のご要望に合わせた詳細なお見積りを無料で作成いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

ご不明な点がございましたら、どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。